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NEWS膵のう胞性病変 ~膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)~
2019.09.02
膵臓は消化液を分泌する外分泌機能と、ホルモンを分泌する内分泌機能をもっている臓器で、
場所は胃の後ろにあり、長さ15cmぐらいです。
膵のう胞とは、膵臓の内部や周囲にできる様々な大きさの「液体のたまり」のことで、
症状はなく腹部エコーやCT、MRIなどにより偶然見つかることの多い病気です。
炎症に伴ってできる良性ののう胞もありますが、一方で、炎症とは関連のない「腫瘍性膵のう胞」というものがあります。
膵臓で作られた膵液を十二指腸へと流す膵管の粘膜に「粘液を作る腫瘍細胞」ができ、
この粘液が膵内にたまって袋状に見えるものが「腫瘍性膵のう胞」となります。
腫瘍性膵のう胞には、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性のう胞腫瘍、漿液性のう胞腫瘍などがありますが、
頻度はIPMNが最多です。
IPMNは膵臓を縦走する主膵管が拡張する主膵管型、その分枝がぶどうの房状に拡張する分枝型、この両者が併存する混合型に分類されます。
IPMNで注意する点は、「のう胞自体が癌化することがある」点と「のう胞以外の膵内に通常型の膵癌が発生することがある」点です。
主膵管型や黄疸、のう胞内に造影される結節がある場合など、癌や癌化する可能性が高く手術が必要になる場合があります。
通常型の膵癌は、他の癌に比べて、症状が出にくい、見つかりにくい、転移しやすい、進行が速いなどが原因で5年生存率がきわめて低い癌です。
2㎝を超えるとリンパ節や肝臓に転移しやすく、2cmになる前に見つけ、手術することが重要です。
IPMNがある膵臓では、この膵癌が発生するリスクが高くなると言われています。
IPMNの癌化や通常型の膵癌の早期発見のため、定期的なエコー検査などでのfollowが重要です。
(文責:大門裕貴)